10回目の今回は枚方市長尾家具町にあるアクテック株式会社さんへ、枚方市内の子どもたちと一緒に工場見学に潜入しました!
テレビや新聞などの取材で何度も取り上げられ話題になった、ふるさと納税寄附額10万円のうまい棒ケース。10円のうまい棒のために、寄附額10万円のケースという逆転の発想。そんなユニークな企画を考えたのがこちら「アクテック株式会社」さんです。
アクテック株式会社さんは、様々なアルミケースを専門に作るものづくり企業です。
枚方市を中心に活躍するものづくり企業が集まり、連携して開催されたオープンファクトリープロジェクト「不器用ファクトリー」にも出展されています。
工場見学では、アルミケースを作る過程を見せていただきました。
そして後半はオリジナルのアルミケースを作るワークショップ体験も見学しました!
まずは社長の芦田 知之さんが、「アクテック株式会社」という会社について子供たちに説明。
顧客のニーズに合わせて様々なケースを作っており、企業の大量注文から個人のオーダーメイドまで、様々なニーズに応えています。
ちょっと驚いたのが、ケースの断面。
てっきり全部金属で作っていると思っていたのですが、実は内側は”ベニヤ”という木材でした。
ケース全部を金属にしてしまうと重たくなってしまうので、内側は丈夫で軽いベニヤ板を使い、その上に薄くしたアルミ板を貼ってケースに仕上げていました。
工場見学
どういう会社なのか分かったところで、いよいよ工場見学です。
出発する前に注意事項。
ここに置いてある金属はそれぞれ部品のカット面が鋭利で危ないので、勝手に触ったり、どこかに行ったりしないようにしてくださいというもの。工場にはここから先は入ってはいけませんよという白線が引いてありました。
さて、いよいよ工場見学の開始です。(工場見学っぽいですよね)
進むごとにさまざまなパーツやケースの製造過程、そして途中には、職人さんによる実際の作業を見ることができました。
作業自体は一見単純そうに見えるんですが、ちょっとのズレで商品にならなくなったりするので、実は簡単ではありません。
様々な部品や工具。意外にも木の部品などが多いのも面白かったです。
アルミケース作りワークショップ
後半は、自分だけのアルミケースを作れるワークショップの時間。
アルミ枠はいろんな色があって、それを組み合わせて自分だけのケースを作っていきます。アルミらしいメタリックな色合いと質感なので、子どもたちはみんな目をキラキラさせながら選んでいました。
面白かったのが、こちらの工具。こちらは電気ではなく、エアーで動く工具。アクテックさんでは工具はエアーで動くものが基本で、電気工具はほとんど無いんだそうです。
その理由は、金属の加工を扱うことが多いからです。電気を使った工具だと感電する恐れがあったり、金属の火の粉が電線に当たって引火、火事になる恐れがあるということで、エアーで動く工具を使っているんだそうです。
頑丈に作られたケースは、しっかりと押し込まなければいけません。多少の力が必要だったり、小さいハンマーを使ったりしてはめ込むので、社員の方が優しく丁寧に子供達のサポートをしていました。
ここでアクシデントが発生。ケースの噛み合わせが悪く、ちゃんと閉まらないという事態が。
その瞬間、社員の方々の目が変わったのを見逃しませんでした。細やかな手つきでほんのちょっとの微調整をして開け閉めを繰り返し、その音を聞いて密閉具合を確認。それを納得するまで諦めずに繰り返されていました。社長の芦田さん曰く、これに関しては明確な原因があるわけではないので、職人の勘が頼りなのだそうです。
何があるかわからないのがものづくり。色々と発展した現代でも、職人の経験と勘によってひとつひとつ丁寧にクリアしていくことで、ものづくりの品質が保たれているんだなーと感じさせられたシーンでした。